台風の季節は、「雨漏り」や「瓦が飛ぶ」など屋根のトラブルが気になりますね。
建てたばかりは安心ですが、劣化が進むと被害が出やすく危険なケースもあります。 10年以上メンテナンスをしていなければ、台風に備えて屋根の点検をお勧めします。
台風の風
さて、台風には「強い」などの形容詞がありますが、 気象庁では風速によって、これを決めています。
・台風 最大風速17m/s以上
・強い台風 最大風速33m/s以上
・非常に強い台風 最大風速44m/s以上
・猛烈な台風 最大風速54m/s以上
天気図などで使う言葉も決まっています。
・強風域 風速15m/s以上
・暴風域 風速25m/s以上
「風速」は10分間の平均値を表し、平均風速とも言います。 これに対し「瞬間風速」は文字通り、ある瞬間の風速の最大値。 「平均風速」の1.5倍から3倍程度に達することがあります。 5m/sの風であっても、瞬間的には15m/sの暴風が吹くこともあるのです。 「最低でも1.5倍の風が吹く」と考えてください。
風による被害
さて、気象庁のホームページに風速による台風被害の目安があります。
→ 風の強さと吹き方
人と建物に関する影響を抜粋してみました。
やや強い台風
風速10m 傘がさせない。樋(とい)が揺れ始める。
強い台風
風速15m 高所での作業はきわめて危険。看板やトタン板が外れ始める。
風速20m 飛来物によって負傷するおそれがある。屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。
猛烈な台風
風速30m 屋外での行動は極めて危険。固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。
風速35m 多くの樹木が倒れる。外装材が広範囲にわたって飛散
風速40m ブロック壁で倒壊するものがある。住家で倒壊するものがある。
また、台風は衰えると低気圧になりますが、あなどってはいけません。
・熱帯低気圧に変化→風速は収まる、雨は降り続けることがある
・温帯低気圧に変化→風速も雨も収まらないことがある
屋根が飛ぶ理由
それでは、屋根が飛んでしまう理由を考えてみましょう。 屋根は休むことなく日光や雨・風の影響を受けています。 瓦自体はこれに耐える性能をもっていますが、 瓦を固定している材料や、それを支える下地も劣化していきます。 瓦そのものも、飛散物で欠けたりヒビ割れを起こすこともあります。
また、コケやカビが発生すると、劣化は更に進んでしまいます。 日が当たっていない部分は、より危険な状態に。 これらは気付きにくく、放置しがちですね。そしてこれが屋根が飛ぶ最も大きな原因です。
天井から雨漏りするなど、台風のときに初めてお住まいの劣化に気づくことは多いです。 台風の時は、横殴りの雨風が吹き付けます。外壁のひびや軒天の隙間から浸入し、 普段では考えられない被害が出てしまうのです。 いつもは大丈夫だからと安心せず、台風が来る前にお住まいのメンテナンスをしてあげましょう。
屋根が飛ぶと
休まず家を守ってくれている屋根ですが、飛ばされてまず起こるのは雨漏です。 ただ、雨森の雨漏りが進むと、柱や梁などにダメージを与え、家の強度が下がってしまいます。
そして、風で飛ばされた屋根はご近所の建物や車、人に直撃することもす。 自宅の被害だけならまだしも、他人に迷惑をかけてはいけません。 ですから定期的な屋根の点検・メンテナンスをしておきましょう。
ご自身でも簡単なチェックはできますが、屋根に登るなどは転落の危険があります。 専門業者に任せた方が安心ですね。 きちんと点検できますし、修繕についても相談できます。
屋根が飛んだら
屋根が飛んでしまったら、すぐに専門業者に連絡し対処してもらいましょう。 一枚でも瓦が飛んだということは、原因となる劣化が起こっている証拠。 飛んだ瓦のまわりにも悪影響を与えてしまい、もっと屋根が飛ばされる危険が高まります。
なお屋根をはじめ、台風による被害は火災保険で補償される場合があります。 屋根の被害をはじめ、強風による窓ガラスの割れ、飛散物により壁の破損、水災による被害なども保証してくれる場合があります。 補償対象になっているか、約款を確認してみてください。
ただし、経年劣化が原因のときは適用されない場合もあるようです。(メンテナンスを怠った場合)
瓦は地震に弱い?
瓦は地震に弱いと言われます。 確かに昔の「土葺き」の瓦屋根はかなり重く、風には強いのですが、地震に弱かったのは事実です。 報道などで見る悲惨な倒壊の現場。 その原因は「耐震強度」の低さです。 屋根の重量に耐える構造(柱など)でなかったから。 でも、現在の基準に沿って耐震補強すれば、倒れることはありません。
しかし見逃せないのが経年劣化。 瓦そのものや下地などが傷んでしまうと、雨漏りや瓦の落下につながります。 前回の屋根のメンテナンスから10年以上経過している場合は、ぜひメンテナンスを。
絶対、上がらないでください
台風での事故は毎年あり、中でも多いのは屋根からの落下です。 死亡には至らなくても、重い障害を抱えることも。
台風の接近中は、いつ突風が吹いてもおかしくありません。 通過しても、突風が吹きやすい状態は半日以上続きます。 風以外に、雨は足元を滑りやすくします。苔が生えていれば、はさらに滑りやすくなってしまいます。
雨漏りしても、瓦が飛んでも、屋根に登っての作業はおやめください。 家の被害と人命、どちらが大切かは明白です。 ちょっとぐらいは大丈夫、自信はあるなど、くれぐれもご自重ください。