日本語がそのまま英語になった言葉がいくつかあります。
寿司、天ぷら、芸者、富士山などがその代表格。 自然現象でいえば「津波」も英語で「tsunami」です。「ツナミ」と言えばそのまま通じます。
地震が少ないヨーロッパには「津波」を意味する単語はなかったのですが、 情報網が発達した近年になり、地震による津波の被害が世界中に知られるようになり、新しい単語が誕生しました。
きっかけになったのは、1946年のアリューシャン地震。 発生した津波が遠くハワイまで及び、激甚な被害をもたらしました。 現地に住んでいた日系人が「ツナミ」と呼んだことが地方紙に載り、そこから「tsunami」が広まっていったそうです。 今では英語だけでなく、世界的な一般用語へと変化しています。 (由来は諸説あるようです)
台風の語源
さて、「台風」のことを英語で「タイフーン」(Typhoon)と呼ぶこともありますが、こちらは日本語が語源ではなないようです。 漢字の起源でもある中国がタイフーンの語源だという説が有力です。
中国では激しい風のことを「大風(たいふーん)」と言います。 また、もともと「台湾付近の風」という意味で、「颱風」という字も使われていたそうです。 この「たいふーん」が音訳され「タイフーン」となったのです。 (由来は諸説あるようです)
ですから日本語の「台風」は、英語の「タイフーン」を音訳したもの、 もしくは中国語の「大風」「颱風」が変化したもの、ということになります。
台風=タイフーン?
厳密に言うと、このふたつは境目の風速が違います。
・台風 最大風速17m/s以上
・タイフーン 最大風速33m/s以上
タイフーンは国際的な基準で、台風は日本が定めた基準です。 日本ではタイフーンの半分程度の風速であっても、台風と呼んで注意を促すのです。
また風速により台風を細分化し、より厳重な対策を促しています。
・台風 風速17m/s以上
・強い台風 風速33m/s以上
・非常に強い台風 風速44m/s以上
・猛烈な台風 風速33m/s以上
言葉は時代を感じさせますが、ニュアンスは通じますね。 なお、以前は「弱い台風」「並の強さの台風」という階級もありましたが、2000年に廃止されました。 これらの表現は誤解を招きかねません。大丈夫だと油断しないための、防災上の観点からです。
なお、「風速」は10分間の平均値を表します。(平均風速とも言います) これに対し「瞬間風速」は文字通り、ある瞬間の風速の最大です。 「(平均)風速」の1.5倍から3倍程度に達することがあります。 10m/sの風であっても、瞬間的には30m/sの暴風が吹くこともあるのです。
風で窓ガラスが割れる?
台風による家の被害では、窓ガラスが気になりますね。 でも窓ガラスは風には耐えられるよう作られていて、風の力だけで割れることはほぼありません。 窓ガラスが割れる原因の多くは、強風で飛ばされた物が当たるケースで、 風速が10m/sを超えると、危険性は大きくなります。
風速10m/sというと、傘がさせないほど。 15m/sにもなると、しっかり固定されていない看板やトタン板が飛ばされることがあります。 これくらいの風になると、いろいろなものが飛ばされるようになり、窓ガラスに当たれば割れてしまいます。
強風・強雨のさなか、窓ガラスが割れてしまうと家の中は大変! 割れないよう窓対策しましょう。
台風が来る前に窓対策
雨戸があれば閉めましょう。 雨戸はもともと風雨を避けるためのものですが、物が飛んできてもガラスを守ってくれます。 傷が付くかもしれませんが、ガラスが割れた時の被害を考えたらまだ救われます。
ただ、今は雨戸を付けない住宅が増えています。 アルミサッシが主流となり、多重ガラスや防犯ガラスなどの性能が上がっているので、必要ないのでしょうか。 しかし物の飛来から窓ガラスを防ぐのは、雨戸が一番でしょう。
雨戸はその他にも「防犯」にも効果的ですし、「遮熱」「遮音」などの効果もあります。 雨戸は後付けすることもできるので、危険そうな窓があればご検討ください。
雨戸がない場合
台風が来る前に窓に板を打ちつける、という光景を覚えている方も多いのでは。 まさに、一時的な「雨戸」ですね。
でもマンションや最近の住宅では、釘を打ちつけるところがありません。 せめてガラスを割れにくく、割れても被害を最小限にする対策をしておきましょう。
テープを貼る
ガムテープなどを貼ることで、割れたガラスが飛び散らないようにできます。 バッテンや米印に貼るのが効果的だそうですが、全面に貼ればなお安全です。 しかしテープは見栄えも悪いし、剥がすと跡が残ったりしますね。
フィルムを貼る
飛び散るのを防ぐ目的の「ガラス飛散防止フィルム」もありますが、おすすめは「防犯フィルム」です。 断熱効果やUVカット機能がある種類もあり、普段の暮らしの改善にもつながります。
なお、防犯フィルムにはカギのまわりだけ貼る小さいタイプもありますが、ぜひ全面に貼るタイプにしましょう。 大きな面積になると、貼るのが難しくなります。 また防犯性能を発揮するためには、専門技術者による施工が必要になることも。 リフォーム会社に相談してみましょう。
雨戸の後付けリフォーム
昔の日本家屋の雨戸といえば、木製で重い戸。 窓の脇には、開けた雨戸を収納する箱状の「戸袋」もあって かなりしっかりした作りでした。
最近の雨戸は軽量化されており、収納スペースを必要としないものもあります。 簡単にリフォームで後付けすることもできます。 種類としては、「引き戸タイプ」「折れ戸タイプ」「シャッタータイプ」の三つがありますが、 人気があるのは、開閉が楽な「シャッタータイプ」のようです。
引き戸タイプ
折れ戸タイプ
シャッタータイプ
面格子の取り付け
雨戸やシャッターが取付けできない小窓には、面格子の取り付けリフォームをしておくといいでしょう。 丈夫な高強度タイプの面格子もあります。 大きな飛来物があっても、窓ガラスが割れるのを防ぐことができるのはもちろん、 空き巣対策として防犯にも効果があります。