冬の朝の曇った窓ガラス
冬の寒い朝、カーテンを開けると、窓に結露。 そんな時、子供達がいればさっそく落書きでしょうか。 あなたなら何を描きますか?
懐かしいアイアイ傘の写真を見つけました。 落書きって、童心に返ったりしてちょっと楽しいですね。
でも、お絵かきの時間が終わったら、ちゃんと拭き取りましょう。 ガラスに指の油やホコリが付いて、跡が残ります。 汚れたままのガラスでは、次の落書きの時に指が汚れますよ。
結露はカビ・ダニの原因
ただの水滴なら、放っておけば乾きます。 でも、結露のまわりは湿度が高いので、なかなか乾きません。 多湿な状態が続くと、カビが生えてしまいます。
カビが生えると、それを食べるダニが増え、またそれを食べるダニが増え… 窓のまわりは、カビやダニの温床となってしまいます。
「そううち乾くから」と放置せず、ちゃんと水滴を拭き取りましょう。 汚れも一緒に取れるので、一石二鳥と考えれば得した気になりますね。 100均などで売っている、水滴を取るワイパーや吸水クロスなどを使えば便利ですよ。
好ましい温度と湿度
結露が起きるということは、部屋が多湿だという証拠です。 そして暖房しているので、室温も高い状態です。 カビやダニは、こんな高温多湿の場所が大好き。ホコリや汚れを食べながら、どんどん増えていきます。 対策を怠ると、じゅうたんや押入れ、そして壁や床の内部まで広がります。 カビの胞子やダニの死骸・フンが、ぜんそくやアトピーなどのアレルギーを引き起こしてしまいます。
それでは、好ましい温度と湿度はどれくらいでしょうか。
※出典:加湿.netより
カビ は、湿度が60%以上で発生し、70%を超えると猛烈な勢いで繁殖します。 しかし、いくら湿度が高くても、カビは水分を直接取り込むことはできません。 空気が冷やされて、水滴になって初めて吸収できるようになります。 ですから水滴ができたら、拭き取らなくてはならないのです。
なお、湿度が60%以下になるとに発育が困難となり、55%以下では成長しなくなります。 湿度を下げることで、カビの発生を押さえることができます。
ダニ 湿度65%以上で繁殖し、75%前後で活発に活動します。 60%以下では生息が鈍り繁殖が停止、50%以下では半減します。 ダニの発生を押さえるのは、カビと同じく湿度を下げることです。
また種類にもよりますが、温度は25度付近を好みます。 ですから暖かいリビングには、一年中ダニが生息しているかもしれません。 冷たそうな押入れの中の、布団はどうでしょうか。 ダニは低温では繁殖しませんが、動かず耐えています。卵も越冬します。
50℃以上になると卵まで死滅するのですが、日に干したくらいでは死にません。 ダニ退治モードのついた布団乾燥機などを使いましょう。 その後、掃除機で死骸を取り除くこともお忘れなく。
ウイルス は、低温・低湿度を好み、湿度が50%を下回ると活動が活発になってしまいます。 そして乾燥するとウィルスが舞いやすくなり、感染の危険が大きくなります。 カビ・ダニ対策は、湿度を下げることですが、下げ過ぎには注意が必要です。
風邪のウイルスなどは種類によって異なりますが、 大半は湿度が50%になると、ウイルスは約3%の生存率になります。 室内の湿度を50~60%に保つのがおすすめです。
これらを考えると、人にとって冬の最適な室温は 18℃~24℃、 湿度は 40%~60% となります。
結露は「家」にとってもよくありません
結露は窓だけではなく、壁や床、押し入れの奥などでも発生します。 この水分を壁紙が吸い込むと、壁紙がはがれたり、シミになったり。 さらに水が入り込むと、内部の断熱材や木材を腐らせます。 当然、カビやダニの住み家となったり、シロアリなどの発生原因にもなります。
ここまで進むと、家は地震に弱くなり、室内はカビ臭く、菌や害虫が住みやすい環境になります。家の寿命が、どんどん短くなっていきます。 すでにシミや腐食が広がっている場合、腐食がどこまで進行しているのか、プロに見てもらった方がいいかもしれません。
結露が起こらないよう湿度を下げて、家を守りましょう ただし、乾燥のし過ぎにも注意してください。 湿度40%以下では木材が乾燥しすぎて、ひび割れなどを起こしやすくなります。
換気で湿度を下げる
私たちの暮らしの中には、湿度を上げているものがたくさんあります。 例えば料理。冬の寒い夜、鍋パーティーすると窓は必ず結露しますね。 煮炊きしたり湯を沸かすと湯気が出て、大量の水蒸気を発生させます。 実は、ガスを燃やすだけでも水蒸気は出ています。 石油ストーブや石油ファンヒーターも、点けておくだけで水分が発生します。 1リットルの灯油を燃やすと、およそ1リットルの水ができるそうです。
湿度を下げたい時は、換気が一番です。 窓を開けて5~10分あれば、十分に換気できます。2時間に1回を目安に換気しましょう。
換気をすると暖かい空気が逃げていくので勿体ない、と思われるかもしれませんが、 実はそうでもありません。 25℃の部屋の空気を10℃の外気と入れ替えても、 壁や床などが室温と同じ25℃の熱を持っているので、すぐに24.7℃まで戻るのです。
換気扇で湿度を下げる
もちろん換気扇も有効です。料理をするときは、換気扇をつけましょう。 湿度を下げるには、常に換気扇を回すのがベストです。 お風呂やトイレの換気扇をつけておく事も価値があります。
でも、ずっと換気していると室温が下がってしまいます。 暖房のロスになって、地球にも優しくありませんね。 これを解決するのが熱交換式の換気扇。 排出する空気の熱を回収し、入ってくる空気へ交換します。 室温20℃の場合、外気温が0℃であっても14℃まで温めて室内に取り込みます。
※出典:Panasonic より
結露はカビやダニの発生につながり、シックハウス症候群を引き起こします。 また家の内部にまで侵入し、建物に重大なダメージを与えます。 上手に換気して、人と家を守りましょう。